東洋医学概論(とうよういがくがいろん)


 気血(きけつ)、五臓六腑(ごぞうろっぷ)、「女性は7の倍数、男性は8の倍数の年齢の時に体調が変化する」…。
 これらの言葉、みなさんはお聞きになったことがありますか?
 最後の言葉はコマーシャルでも耳にされたことがあるかもしれませんね。
 これらは全部東洋医学の言葉です。

 東洋医学とは広い意味ではアジアの諸国で発達した医学全般を指しますが、日本では中国から伝わって発展した医学のことをいう場合が多いです。
 古代中国の国名を取って「漢方医学」ともいいます。
 「東洋医学概論」の授業では鍼灸治療の根拠となっているこの医学について、各内臓の働きや病気の原因、診察や治療の仕方について学びます。
 西洋医学よりも聞き慣れていない東洋医学用語や見慣れていない漢字に利用者のみなさんは大変ご苦労されています。
 そうかと思えば、「肺」や「肝(東洋医学では肝臓とはいわず肝といいます)」など、西洋医学にも出てくる内臓の名前が付いているのにその働きは全く違っていたりすることもあり油断なりません。
 東洋医学を勉強すると、画像検査や血液検査などがない時代、ほんとに丁寧に患者さんを診察していたのだなあと驚かされます。

 さて、冒頭に出てきた言葉の説明をごくごく簡単に。
 ①気血:目に見えないエネルギー源の「気」と赤い液体で全身に栄養を届ける「血」は生命活動を維持するとても大切な物質です。これらの量が十分にあり、体の隅々まで流れている状態が健康だと考えられています。
 ②五臓六腑:いわゆる内臓のことです。肝、心、腎など5つの臓と胃、小腸、大腸など6つの腑があります。上にも書いたように名前は西洋医学と同じですが、その働きは似ていたり全く違っていたりします。
 ③「女性は7の倍数、男性は8の倍数の年齢の時に体調が変化する」:これは古代中国の本に書かれていることです。例えば、男性は8歳で歯が生え替わる、女性は14歳で月経が始まるなどです。これによると、女性は28歳で、男性は32歳で身体機能のピークを迎え、その後下降していくとされています。生活に気をつけてなんとかこの下降線を緩やかにしたいものですね。

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